2012年7月3日火曜日

テストで平均点+10点とらせるコツ

これまで本当に多くの子どもを見てきて、
学力を伸ばすためには、子どもの心がおだやかで
あることが最も重要だと私は思っています。

穏やかであるだけではだめですが、穏やかでなくては
学力が伸びないことは、はっきりしています。


以前にこんな生徒がいました。最初はすごく感じの悪い
生徒でした。ものごとを斜めに見るというのか、大人に
対してかなり態度はよくありませんでした。

その生徒は附属池田中学2年生のときに
私どものところに通ってくれるようになりました。

その生徒と生徒のお母さんとは本当に仲が悪く、常に
けんかになっているような状態でした。


定期的に電話や懇談をしていましたが、あまりにも親子
喧嘩がたえないので、私が家庭訪問をすることになり、
おうかがいしたのです。

家の前まで行ったときに、呼び鈴を押しても、全然反応が
ありません。仕方なく帰ろうとしましたが、何か物音がする
ので、家の玄関の扉をノックしました。
何かの音はするのですが、それでも反応はありません。
家の中の様子をうかがうのですが、物音はしても誰も出てきません。

この時点で、私は完全な不審者でした。家の周りをうろつき、
中の様子をうかがっているわけですから、どう考えても
不審者でしかありません。

「もういいわ。帰ろう。」と思って、家の方を見ていました。
もう一度だけ、呼び鈴を鳴らしてから帰ろうと思って、呼び鈴を
押しました。

そのときに、お母様と思われる方の怒鳴り声が聞こえたので、
とにかく玄関の扉が開くかどうかやってみようと扉をあけて
みたら開いたのです。そして、中に入ろうとしたときです。

玄関で親子で大喧嘩をしていたのです。お母さんが掃除機の
パイプで子どもを殴りつけていて、それに対して子どもは
プラスチックのバットで必死に防戦していたのです。


不意に玄関の扉が開いたものですから、お母さんが一瞬、
こちらを見た瞬間、子どもが持っていたプラスチックのバットでお母さ
んをめった打ちにし始めたのです。

お母さんよりも小さい男の子でしたが、それでもこうなれば、
体力的にもお母さんは勝てませんから、防戦どころか叩かれる
しかありません。

あわてて私が止めに入って、ようやく止まったのです。
止めに入るときに、親子それぞれからかなりパイプや
プラスチックバットで叩かれ、一番、怪我をしたのは私でした。

原因は本当につまらないことでした。
それで、これだけのケンカになるようなくらい状態は悪く、
勉強どころでは到底ありませんでした。


この子の成績は、どう考えても140番前後だろうと思われる
ような成績でした。定期テストも常にどの科目も平均点-10点
くらい、当時の10段階でオール5もなかったと記憶しています。

この生徒は最終的には連絡進学できませんでした。原因は
技能教科の成績が良くなかったからです。それでも、5教科だけ
なら最後は全教科で平均点+5点から+10点はとっていたのです。


あれだけ取れなかった生徒が点数を取れるようになったのは、
簡単に言えば、勉強したからです。それ以外には特殊なことは
何もしていません。


じゃあ、なぜ勉強できなかったのか、なんです。


この子は常に落ち着き無く、刺々しい感じでした。ところが
中3の2学期にはたいへん穏やかな雰囲気の生徒になって
いました。お母さんとのケンカもほとんどなくなっていました。


どうしてだと思いますか?


お母さんがイライラしなくなったからです。
結果として親子喧嘩がほとんどなくなり、余計なエネルギーを
使わなくて良くなったからです。


たったそれだけのことです。


それだけのことで、子どもは勉強するのです。
いや、できるようになるのです。もちろん、目標というのは
必要です。心の平穏と目標の2つともがどうしても必要です。

それでも、目標だけあったところで、勉強はできないことは、
よくおわかりだと思います。


子どもに平均点以上の点数をとらせる最も簡単なコツは
子どもの心を穏やかにしてあげればよいということです。

特に小学生は心の動きが点数にあらわれてしまいます。
まだ精神的に強くないために、心の動きが行動にすぐに
反映されてしまうからです。


では、心を穏やかにするためにはどうしたらいいかを
これからお話をしていきます。


今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

                                    進学塾TMC池田
                                    http://tmc-ikeda.com/

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